麗しの竜騎士は男装聖女を逃がさない



「未来のハーランツさん……?」

「ううん、悪いけど人違いさ。探し人は別室で眠っているよ」

「ハーランツさんも天国に!?」

「ははっ、落ち着きなさい。君はまだ死んでいないよ、アルティア君。いや、ミティアさんと呼んだ方がいいかな?」


 突然現れた彼は、広いベッドに腰掛けて私を見つめた。

 見れば見るほどよく似ている。一体どういうこと? 

 頭が混乱している私を見かねて、彼は懐から青いマスクを取り出した。


「どうだ? これで私が誰か気づいたか?」


 それは、時計塔で別れたハテナさんが付けていたマスクだ。仮面の下はこんな綺麗な顔をしていたなんて。


「私の魔力で、落下する君を受け止めさせてもらった。ついでに展望台で気を失ったあいつを担いで、私の城に連れてきたというわけさ」

「助けてくださったんですね。本当に、なんとお礼を言えばいいか」

「礼はいらない。君は私を助けるつもりで時計塔に戻ってきたんだろう? おあいこだ」


 彼の話では、ハーランツさんは傷が深いものの、命に別条はないらしい。