麗しの竜騎士は男装聖女を逃がさない

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 ふかふかのベッドに洗い立てのシーツの香り。まるで雲の上に寝転んでいる気分になる。

 柔らかい安らぎにうとうとして、数分後に目を覚ました。

 体を起こして見回すと、辺りは真っ白な空間だ。真っ白と言っても、白い石造りの柱が神殿のごとく並んでいて、キングサイズのベッドが置かれたところから続く低い階段の下は、透き通った水にハスの花が浮かべてある。

 キラキラと陽の光を浴びてきらめく透明な布が天蓋から垂れており、まさに天国だ。

 空気も清らかで、どこからか小鳥のさえずりも聞こえる。


「お目覚めか?」


 足音が響いた方に視線を向けると、どこか見覚えのある金髪の男性が歩いてくるのが見えた。

 銀の刺繍が施された貴族っぽい白地の服を纏い、頭上には銀でこしらえたらしい花冠をつけている。高貴な青いマントは裏地が赤だ。

 スッと通った鼻筋と青い瞳。三十代後半くらいの麗しい男性は、私のよく知る師匠と似ている。

 ここは天国? 私の会いたい人が現れてくれるシステムなのかしら?