名を呼びながら錆びついた扉を勢いよく開けた先に、探し人はいなかった。
しかし、狼の体に鳥の羽を持ち、獅子の頭部をつけた数頭の合成獣が鋭い瞳をこちらへ向ける。
しまった! ここにもいたなんて。
足がすくんだ瞬間、背後からハーランツさんが剣を片手に飛びだし、流れるように仕留めていく。
息もつかせず戦いぬき、まばたきのうちに合成獣が気を失って地面に倒れた。
「ありがとうございます。油断をしていました。お怪我はありませんか」
「問題ない。どうやら、合成獣に襲われた跡もないようだな。ここは見晴らしがいいから、ハテナさんとやらは騒ぎに気づいて、早々に立ち去ったんだろう」
ハーランツさんの言葉に、ほっと肩をなでおろす。
良かった。ハテナさんは無事なんだ。もしかしたら、連れの方が危険を知らせて、避難させてくれたのかもしれない。
「お仕事ではないのに付き合わせてしまってすみません。私たちも早く避難しましょう」
剣の血を振り払う彼に声をかけた、そのときだった。
「ふせろ、ミティア!」



