麗しの竜騎士は男装聖女を逃がさない



「東のエリアは危険だ。合成獣の討伐はナラエラ国に任せて、ミティアは招待客の避難誘導をしつつ西へ向かったほうがいい」


 密かに耳打ちをされて頷くものの、脳裏に金髪の男性の姿がよぎる。

 とっさにハーランツさんの両腕を掴み、引き止めた。


「待ってください。時計塔は無人ではありません。私、歳上の男の人と会いました」

「男? ゲストの多くは会場で踊っているはずだろう? あんな廃墟に登りたがる物好きがいたのか?」

「はい、ハテナさんを助けなきゃ!」


 おそらく、人混みを嫌うハテナさんは会場には戻らない。

 すでに帰っているかもしれないけれど、ひとりで相手ができない数の合成獣に襲われていたら大変だ。

 素早く時計塔に向かって駆け出した私を追って、ハーランツさんも真剣な表情で走る。

 時計塔の下にはすでにナラエラ国の騎士が到着しており、合成獣を麻酔で眠らせていた。

 地上に集まった合成獣を任せて、私達は最上階の展望台へと急ぐ。


「ハテナさん!」