彼の背後に忍び寄り、力一杯羽交い締めにする。
身長差があるため、羽交い締めといっても後ろから抱きつくような格好で拘束できているか定かではないものの、振りほどかれはしない。
あっさりされるがままでいる侵入者に違和感を覚えた瞬間、聞き慣れた低い声が鼓膜をくすぐる。
「熱烈な再会だな。落ち着け、俺は敵ではない」
はっとして、頭上へ視線を向けた。
仮面から覗く青い瞳は、ひどく見覚えがある。
「ハーランツさん!? どうしてここに」
「任務から外されてしまったから、プライベートで受付を通ったんだ」
敵じゃなくて良かったと安心したのも束の間、騎士服とは違う格好の彼にドキドキが止まらない。仮面を外すと、整った顔が露わになる。
ここで会えるとは思わなかった。
「どうやって受付を通ったのですか?」
「ツテがあってな。ミティアと合流できて良かったよ」
彼の交友関係は想像以上に広いらしい。



