私は、なにをしているの?
自分でもとっさの行動だったため、その先の言葉が出てこない。
ただ、もう少し一緒にいたいと願ってしまった。
「ごめんなさい。なんでもありません」
素早く手を離し、恥ずかしくなってうつむく。
すると、引き戸の閉まる音が耳に届いた。
出て行ったのかと思ったが、顔を上げた先に、穏やかに微笑むハーランツさんが映る。
「聖女様が眠くなるまで、お話ししましょうか」
夜は冷えるからと横たえられて、掛け布団をかけられた。
ふいに手に触れた彼の指も冷たかったので心配していると、そんな私に折れたのか、暖を取るだけと理由をつけて同じ布団に入る。
普段なら決してしない行為だが、今日の彼は酔っているせいか距離感が緩い。
「長老さまから聞きました。言霊の魔力を持った聖女の話を……ハーランツさんは、転生に気づいておられたのですか?」
「前世の聖女様とあなたは別人だと認識していますので隠していたつもりはないのですが、あなたに会って、間違いないと感じました。幼い頃の記憶はあいまいでも、本能で確信を得たんです」



