想像していなかった返答に目を丸くする。
それは初耳だ。ハーランツさんはなにも言っていなかった。
「その聖女様は、今はいらっしゃらないのですか?」
「ああ。ちょうど二十年前、大きな惨事があってな。同胞とともに亡くなってしまった」
お茶をすすりながら遠い目をして語る彼は、懐かしそうに私を見た。
「気高き魂の輝きは、本当によく似ておる。わしも長く生きておるが、転生を見たのは初めてじゃ」
転生というワードを聞いて、耳を疑う。
「私が、この里の皆さんに加護を与えていた聖女様の生まれ変わりだとおっしゃるんですか?」
「あぁ、間違いない。言霊の魔力を持つ聖女は他におらんし、ミティアさんは聖女様と同じ力を感じるぞ」
聖女様が亡くなった二十年前といえば、ちょうど私が生まれた年だ。時期からしても、転生説のつじつまが合う。
いまだに信じられないが、長老は至って真剣で、当てずっぽうで言っているようには見えない。



