とても貫禄のある立ち姿で、年を召しているにしては若々しく、背中も丸まっていない。キリッとした眉と切れ長の瞳は、若い頃、美男子として騒がれていそうな印象だ。
「長老、お元気そうでなによりです。ただいま戻りました」
「一体どういう風の吹き回しじゃ? ここ五年は里に顔を出さなかったのに。見ないうちにすっかりいい男になりおって……今夜は酒盛りじゃな」
ハーランツさんの様子をうかがっていると、長老と呼ばれた男性と目が合った。
こちらが頭を下げる前に、深いシワの刻まれた顔が一変する。
ひどく驚いた表情の後、長老は杖を置いて私の前にかしずいた。目を見開く私に、感極まった声が届く。
「おお、まさか、こんな日が来るとは……この魔力を間違えるはずがない。聖女様が里にお戻りになられた」
その瞬間、里の人々もつられるようにその場に膝をつけて傅いていった。
まるで神に祈りを捧げて崇拝する民衆だ。
熱い信仰の視線を向けられて戸惑う私を、ハーランツさんは静かに見つめていた。



