麗しの竜騎士は男装聖女を逃がさない



 なんだか、すごく仲が良さそう。

 ハーランツさんは慕われているようで、キラキラの眼差しを向けられている。

 すると、男性が後ろに控えていた私に気づく。

 遅ればせながら挨拶をしようとしたところで、こぼれ落ちそうなほど目を見開いた男性が、わっと声を上げた。


「ハーランツ様が女の人を連れて帰ってきたぁ!?」


 途端に、叫び声を聞きつけた人が、門の向こうから駆け寄ってくる。


「なんだって!? そりゃあ本当か!」

「はぁ、えらい美人だ! あのハーランツ様が見初(みそ)める女性が現れるなんてなあ!」


 わらわらと囲まれて、辺りは人だかりになってしまった。里の人たちは、霧を抜けて来た部外者の様子をこっそりうかがっていたらしい。

 もしかして、恋人だと思われている? まずい、とんでもない勘違いだ。


「そもそも、どうして私が女だとわかったんでしょう? まともに声も出していないし、胸のサポーターも付けているのに」

「小動物のように可愛らしいからではないですか?」

「こんなときにもからかうのはおやめください」