そりゃあ、頼りがいがあってお仕事もできて優しいハーランツさんが、女性にモテないはずがないと理解している。
それでも、自分が特別ではなかった事実に勝手に傷ついて、しゅんとしたのだ。
「ハーランツさんが……私を、一番の愛弟子って言ったから……」
言っていて、顔から火が出そうだ。
ああ、恥ずかしい。こんなの、理由にはならないのに。
弟子と恋人を天秤にかけたら、恋人の方が重くなるに決まっている。
それなのに、弟子の分際で彼の一番を取られたのが悲しいと白状したようなものなのだ。
終始無言である彼の方を向けない。
「やっぱり、聞かなかったことにしてください……ごめんなさい」
つい、うつむいて手のひらで顔を隠す。
すると、ひどく繊細な手つきで頭を撫でられた。
「すみません。あまりにもいじらしくて、試す真似をしてしまいました。聖女様はそのままでいてください。いずれ自覚する時が来るまで、俺はあなたの側を離れませんから」
視線をあげた先で、甘やかな瞳がこちらを見つめている。
「心配なさらずとも、俺には聖女様しかいませんよ」



