麗しの竜騎士は男装聖女を逃がさない

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「さて。一体、なぜここにいるんです?」


 木陰に座りひと息ついた頃、尋問タイムが始まった。苦し紛れの言い訳をしても逃げられなさそうだ。

 相変わらずにこやかだが、目が怖い。


「ハーランツさんが有休で外出したと聞いたので……」

「情報源はオルデン団長ですか。まぁ、聖女様は人のプライベートを侵そうと考える人ではないですし、こっそり追いかけてきたのには余程の理由があるんでしょう?」


 信頼してくれているのは嬉しいけれど、本音を言ったら引かれるんじゃないかしら。

 ストーカーまがいの行動に罪悪感を覚えてもすでに遅い。


「余程の理由、というほどではないんです。本当に、呆れてしまうくらい」

「大丈夫です。怒りませんから、教えてください」


 目を泳がせても仕方がない。覚悟を決めて謝罪しよう。


「……ごめんなさい。実は、ハーランツさんが誰と会う予定なのか気になっただけなんです」

「どういう意味ですか?」

「てっきり、恋人と会うのだと想像していたので」