でも私はそんなところに目は行かない





彼の浴衣の裾と袖の部分に赤い斑点がついていてすぐに血だと理解する




「朝日真白です」





私は目を合わせないように一応挨拶をする




彼からの返事はかえってこなくて




「枢·····真白さんと外で散歩でもしてきなさい」




黒川会長の奥様が声をかける




私は立ち上がり戸惑いながら扉から出る




男は扉を開けると私を先に通す




男は庭園の方に足を進めると私も一応ついて行く




彼の気に触らないように





言葉や行動には気をつけろと両親に言われた




大きな庭園に着く




私はそれまでの恐怖な感情を忘れて




色んな花に心を癒されたかのように





お花に夢中になる