"ーーーールミ"
あ、栞。
教室の隅に、栞がいた。
栞は近くの男子に近寄ると耳打ちした。
分かる分かるよーーーー。
だから私は、見たくなくてそっと教室を出た。
直後聞こえてきた悲鳴。
ルミなのか、誰か分からない悲鳴が聞こえてーー同じ女の私からしたら、見たくない物、聞きたくない物。
だから何もかも、に知らないフリを決め込んだ。
これが私の考えた最初のエピソード。
静かになった教室に、私は入ってく。
ボロボロになったーーーールミ。
破かれた制服からも、
頬に残る殴られた痕も、
頬に残る涙の痕も、
青アザになるほど強く握られた手首。
それだけで理解出来ない訳じゃないーー。
"ーーーー私が受けた傷だよルミ"
苦しかったはず。
辛かったはず。
だけど今になっては、ルミにそれを直接言える訳はなくーー。
私から伝えるなんて、のも違った。
だからーールミが気づけばいい。
「同じことをしたら、こうやってかえってくるんだよ」
私はルミを冷たい瞳で見下ろした。
あ、栞。
教室の隅に、栞がいた。
栞は近くの男子に近寄ると耳打ちした。
分かる分かるよーーーー。
だから私は、見たくなくてそっと教室を出た。
直後聞こえてきた悲鳴。
ルミなのか、誰か分からない悲鳴が聞こえてーー同じ女の私からしたら、見たくない物、聞きたくない物。
だから何もかも、に知らないフリを決め込んだ。
これが私の考えた最初のエピソード。
静かになった教室に、私は入ってく。
ボロボロになったーーーールミ。
破かれた制服からも、
頬に残る殴られた痕も、
頬に残る涙の痕も、
青アザになるほど強く握られた手首。
それだけで理解出来ない訳じゃないーー。
"ーーーー私が受けた傷だよルミ"
苦しかったはず。
辛かったはず。
だけど今になっては、ルミにそれを直接言える訳はなくーー。
私から伝えるなんて、のも違った。
だからーールミが気づけばいい。
「同じことをしたら、こうやってかえってくるんだよ」
私はルミを冷たい瞳で見下ろした。