未来に幸せなんかなれないーーーー。



未来に『楠木栞』は居ない。



思い出す人も居ないだろうーーーー。




中学の学校の屋上のフェンスは無かった。


屋上に寄り付く不良だっていなかったからーーーー。

これといった事件も無かったから、放置された屋上は、今日は景色が反転したんだ。



いつも、見ている空が今日はやたらーーーー眩しくて涙が出た。








"これがーーーー私がいた過去の話"









私は涙を抑えられないーーーー。



私は魂だけの栞に近づいた。



「ーー苦しかったね、栞。
でも大丈夫、"未来"栞はちゃんと成仏出来て幸せになる!
私がやり遂げてあげる!」






私は魂だけの栞を抱き締めた。







"暖かいーーーー。
私、生きてるみたいだーー"






暖かい涙を流した栞の瞳。




幸せを知らないで
傷つけられて死んでしまった栞。


どうかーーーー栞の未来が報われます様に。





私は消しゴムを握ったーーーー。





そして、ペンを握ったーー。




「復讐をやり直そう。
ルミに、どんな復讐したいの?」







私、何となく分かってるーー。


だけど、栞の言葉を待った。





"私とーー同じ目に合わせて、この手でーーさよならしたい"






私は頷いたーーーー。




最後のエピソードはーーーー。


私がじゃないーーーー。

栞に、託す復讐だ。