「ーータケシ。
また、栞?
栞、綺麗だからって調子乗んなよ!
タケシも騙されてバカ見たい!」


ルミは痺れを切らしたように、タケシに栞に掴みかかった。




「は?
うるせーな、ルミに関係ねーだろうが!ルミより栞のがいいんだ。
どっか行けよ!」



当時ーーーー。


栞はタケシに好かれていた。



タケシのことが好きなルミがいた。

当時のルミは、きっとーーーー。


タケシに好かれてる栞が嫌いだったはず。





"ーー私は、ルミにーーーー"









えっーーーーーー?







冷たい階段を登って、導かれたように来たのは屋上で。




そこに居たのは、制服が汚れて頬に身体に無数の傷跡ーーーー。


無数の涙ーー。








えっーーーー?








「じゃあさ、そんなにタケシが好きって思ってて通じないならさ。
私達見ててあげるから、栞を自分の物にしたらいいーーーー。

要らなくなったら捨てればいい。
この、ノートみたいに」




それは、悪魔の誘い。