先輩、競技やっぱりサボったんですか。
先輩受験生でしょ。
そんなに適当でいつか痛い目見るんじゃないですか。
…わたし、1位獲れなかったんです。
「…痛くて曲げられないです」
「だよね、とりあえず冷やして湿布かな」
ずいぶんと慣れた手付きだ。
保健室の棚を漁って、手当てに必要な一式をサラッと揃えてしまった先輩。
手にした氷袋を腫れた場所へと優しく当ててくれる。
「それで?ぐっちゃぐちゃだったのはなんで?」
ぐっちゃぐちゃ…。
もっと表現方法っていうか語彙力っていうか、言い方が他にもあるでしょ先輩。
「…運動靴、…古いほうのプールに捨てられてて、」
「飛び込んだの?」
小さくうなずいた。
先輩の言葉を聞いてると、わたしが逆にすっごい馬鹿なんだって思ってしまう。
…まぁ馬鹿なんだろうけど。
「あそこかなりバクテリアとかすごいのに?」
「…そうしなきゃリレー走れませんでしたから」
謝らなきゃ。
あんなに馬鹿なことを言ってごめんなさいって。



