「……やっぱり、」
見たくなかった。
見るのさえ怖いくらいの痛みに、でもどうにかしなくてはいけないから。
右足を見てみれば、青紫色に腫れていて。
「包帯…湿布…、まずは消毒…?」
こういうの、慣れてない。
いじめられ常習犯だとしても、今まではぜんぶ放ってきた。
打撲や捻挫をしたとしても時間が解決してくれるって。
逆に手当てをしたならば、それが当て付けだと思われてエスカレート。
だけどさすがに今日のコレは放っておくわけにはいかない。
「消毒液は、どこですか」
なんて問いかけに返事ナシ。
もうグラウンドはクラス対抗競技が始まってる。
わたしの声なんか誰にも届かない。
だれも、聞いてなんかくれない。
「───見して。」
ベッドに腰かけるわたしの前、スッとしゃがんだ声。
聞き慣れたそんなものにどこか申し訳なくもなって。
ゆっくりとわたしの足に触れた先輩は、どこか静か。
「これ何されたの?踏まれた?」
「…はい」
「足首、曲げれる?」



