「はっ、…はっ…!」
走って、走って。
うしろなんか見ずに前だけ捉えて走る。
『もうさ、見栄とか格好とか要らないでしょ。なにを毎日クールぶってんのか知らないけど』
そんな先輩の、言葉。
「おー!速いぞB組アンカー!このまま行けば1位かーー!?」
前走者を抜かした。
それは、3年生の先輩。
すれ違う寸前にチッと舌打ちをされたけど、そんなの気にせず走る。
先輩…見てますか。
先輩、友達にはなれないけど1位は獲る。
その約束は守れるかもしれません。
「い”…っ!!!」
あぁ、やっぱりそれも無理そうです。
ズキズキと痛む足に我慢の緒は簡単に切れてしまった。
そしてわたしの動きも止まる。
「おーっとどうしたB組アンカー!!足を挫いたか!?」
なんて、実況の声がグラウンドとわたしの脳内に響いた。
「なにしてんだよアンカーー!!!」
「はーっ、やってらんないわ」
そう言ってるあなたが、わたしの足を踏んだっていうのに。
もしそれが無かったら1位獲れてた。
だってゴールはもう目の前。



