「おーっとB組!C組に抜かされたぁ!!」


「がんばれA組!D組バトンを投げるなぁーー!!」



どうしよう……足、痛い。

それに身体だって冷えてきた。

初夏といえどびしょ濡れで立っていれば当たり前。


気にしないようにしていたが、右足の甲は見ないほうがいいくらいに腫れてる気がする。



「アンカー!準備して!」



B組は2位と3位の狭間をいったり来たりしてる状態。

このバトンパスがうまく渡って良いスタートダッシュが出来れば、あとはただ走るだけ。


かけ声もない中、ぶつけ本番のバトンパス。



「うわっ、きたな…っ!」



向かって来る先輩がわたしに触れないように何とか渡せれたのは、トイレットペーパーの芯の成果だった。


早めのダッシュをして正解。

どうやらスムーズに受け取れたらしい。



「ぎゃははははっ!なんだよあいつ!気持ち悪ぃ!!」


「どっかのドブの聖霊?妖怪?B組マジかよ!!」



わかってる。

こんなの、最初から知ってる。


友達もいないわたしのレッテルなんて「いじめられっ子」でしかないんだから。