とある先輩の、歪んだ狂愛。





きっと、この学校にもまだ見えていないだけでわたしのような生徒がたくさんいるはずだ。

軽い無視や嫌がらせ。

そういうものだって立派ないじめ。


中等部にだって、そういう子が溢れてる。

それならわたしが先輩になったとき、わたしは「先輩」になる。



「そりゃまた随分と最低なことで」


「はい。だって先輩ですから」


「ははっ、それ結局は俺を貶してるよね」



わたしも「最低だ」と言われる側になる。

そしてその子たちに言ってあげるんだ。


「君は可哀想なんだよ」「憐れでみんな同情してるよ」って。


そう言って忘れていたことに気づかせて───…救ってあげる。



「いいんじゃない?涼夏もだいぶ狂ってるし」


「はい」


「そこ認めちゃうんだ」



これはもう先輩のせい。

頭おかしいサイコパスって言われるかもしれないけど、だとしても結果がある。


わたしは、そんな頭おかしいサイコパスに救われた人間だ。


ロボットから人間に戻してくれた人。



「なんか…悔しいくらい強くなったね」


「んっ…」



ちゅっと、合わさった唇。