部屋を見渡すと、やっぱり一人部屋だからベッドは一つしかない。ソファで寝ようにも寝る場所はないし、和室でもないから「私は押し入れで寝るね!」みたいなことも出来ない。
……玄関近くの、床?
ベッド近くの床に私が寝てしまったら、日野くんが夜目を覚ました時にお手洗いに行きづらい。
ここで私が寝られる場所は床一択だ。私は備え付けの余りのタオルを取り出すと、一つ一つ丁寧に丸めていった。
「何してるの? 五十嵐さん」
「枕作ってるんだ。あ、これ私の分で日野くんはあっちのベッドのほうの枕使ってね」
「……は?」
安心してもらうために説明をしたけれど、彼は信じられないという顔をした。
「五十嵐さんが床で寝るなんて駄目だよ、俺が床で寝るから。ここ五十嵐さんの部屋なんだから五十嵐さんはベッドで寝ないと。それに女の子を床でなんか寝かせられないよ」



