「ありがと、五十嵐さん」
「ううん気にしないで」
「じゃあ、寝ようか。消灯だし」
「うん。そろそろ消灯だもんね」
頷いて部屋へと戻り不意にベッドに目を向けて――私は一瞬思考が停止した。
……そうだ。日野くんは今日、ここで寝るんだ。
目を瞬きながらベッドと彼の背中を交互に見る。
完全にベッドがシングルベッドだということを忘れていた。というか頭からすっぽり抜けていた。
今日彼は泊まるところがないとここに来たのだから、当然ここに泊まるんだ。風邪をひかないように濡れた服を乾かさなくちゃとか、先生が突然現れたことに頭がいっぱいで泊まりについて何も考えなかった。



