【完結】最高糖度のキミが好き




 いや、好きだよ! 大好きだよ。だから困ってるわけで……というか好きじゃないんだから別に良くないってどういうこと……?



 戸惑っている間にもどんどん彼はこちらに近づいていて、私も彼が進む分だけ後ずさっていると、踵や後頭部が壁につっかえた。撤退できない。そう悟るのと彼が私の手首を掴むのは、ほぼ同時だった。



「手、冷たいね。……気持ちいい」



 低い声で囁く日野くんは私の手を自分の胸に当てた。完全に肌に触ってしまっている。私は今彼の皮膚に触れてしまっている。もう下がれない。



「五十嵐さん赤いね……」



 至近距離から見える彼の濡れた前髪から覗く瞳は、妖しく揺れているように感じる。頭の中がパニックになっていると、扉がノックされた。