【完結】最高糖度のキミが好き



 カイロは時期的に無いだろうし……。もうすぐ消灯時間が近づいてきているけど、今ならぎりぎり出られるだろうか。



 近くのコンビニで何か身体の温まる食べ物を買ってきたほうがいいかもしれない。でもお風呂中に勝手に出て行ってしまって彼を不安にさせたりなんてことは……。



 時計に目を向けると、時刻は消灯まで十五分をきっていた。今から出て行っても、戻れない。無力さに溜息を吐くと、ドライヤーが視界に入った。



「そうだ、ドライヤー……」



 私は日野くんの私服を乾かすことを思いついて、そのまま脱衣所へと向かっていく。一応ノックをしてから脱衣所に入ると、シャワー室の扉は閉じられていてすりガラス越しに人影が見えた。



「日野くん、あのさ、お洋服乾かしてもいいかな」



「……ありがとう」



 窓越しの扉の彼の声は掠れていて、どこか泣いているように聞こえた。「大丈夫?」と問いかけると、「うん」と短く返される。