「はーいっ」
扉を開けば、やっぱり髪や服を濡らし旅行鞄を持った日野くんが立っていた。
淡い枯茶色の髪からは滴がぽたぽた落ち、彼の頬を濡らしている。着ていた服も色を変え、深く濃く滲んでいた。
私はすぐさま彼を招き入れタオルを手渡す。
「日野くん、大丈夫?」
「うん……」
「お風呂もう沸いてるから、入ったほうがいいよ!」
「うん」
日野くんは俯いていてその表情がよく見えない。
髪がびしょびしょに濡れているから、雨水が目に入らないようにしているのかもしれない。私は彼の腕を取り「ここがお風呂場だよ」と連れていき、早く着替えられるように脱衣所の扉を閉じた。
「着替え、籠に入れてあるからね」
日野くんが来る前に、着替えは用意しておいた。
といっても元々クローゼットに着替えが置かれていて、私はパジャマを持っていたから使わなかっただけだ。



