【完結】最高糖度のキミが好き




「うん。タオルたくさん用意してお風呂のお湯も溜めて、あっためておくから」



「……五十嵐さん」



 改めるように声をかけられなんとなく私は動きを止める。次の言葉を待っていると、電話越しに彼の雰囲気が変わった気がした。



「ごめんね」



 あまりに昏い声に目を見開くと、電話はそこで途切れた。



 雨も降っていたし、要件も伝え終わったから電話を切っただけだ。きっとそうであるはずなのに、どこか私は日野くんの様子に胸騒ぎを感じていた。



 気持ち設定温度を高めにして、浴槽にお湯を張った私は扉の前で日野くんを待っていた。



 結構焦っていたし、彼は濡れているはず。すぐに温まってもらったほうがいい。



 タオルを片手に構え準備万端で待っていると扉がノックされた。「五十嵐さん」と呼びかける日野くんの声がする。