窓の外に視線を向ければ、雨粒がぽつぽつと窓を叩いていた。
「うん、大丈夫だよ。たっ、タオルとか用意しておくね!」
「ありがとう……わっ」
スマホを耳に当てながら備え付けのタオルを出していくと、電話越しにばしゃん、と水がかかったような音が聞こえてきた。
「日野くん?」
「はは、ちょっと転びそうになって」
「焦らなくていいから、濡れないようにね! 部屋番号は……」
階層も含めて部屋番号を聞き取りやすいようゆっくり伝えていく。彼はメモをしているのか、反芻するように繰り返した。
「わかった。ありがとう五十嵐さん。今からそっちに行くからね」



