真木くんは気怠けな瞳で私を映している。芽依菜ちゃんは地図とにらめっこしていてどんどん進んで行ってしまった。
私が彼女を呼び止めようとすると、真木くんが「じゃあね」と呟いた。意味が分からず彼に問いかける寸前、誰かが私の手を後ろから掴んだ。
「え、日野く……」
振り返ると私の手を掴んだのは日野くんだ。帽子を被り眼鏡をかけて、マスクをする……かつてないほどに重装備の日野くんがいる。
「どうしてここに――、えっ」
言い終える前に日野くんは私の手を取り駆けだした。後ろから「芽依菜には言っておくから安心しなよ」と静かな真木くんの声が聞こえる。



