そう言ってまるで店員さんのように軽く会釈をしてから私の横に座る日野くんは、私の頬に触れた。幼い子をあやすみたいに親指で頬を撫でられ、私は視線が彷徨ってしまう。 「ちょっとスパイス強すぎた?」 「ううん、そんなことないよ、美味しい……」 「五十嵐さんが手作りでカレー作ってくれたじゃん? この間。バターチキンカレー。あれのスパイスちょっと貰っちゃったんだ」 「そうなんだ……」