「うん、何か振動したと思ってたんだけど、表示されてなくて」 返事をすると日野くんは眉間に皺を寄せ考え込んだ表情に変わった。彼はこちらを不安そうに見つめて私の腕に触れる。 「……いや、振動した音なんて聞こえなかったよ。五十嵐さん、大丈夫……?」 酷く深刻そうな声色にスマホの振動についての自信が持てなくなった。気のせいだったのかもしれない。彼は私を労わる様子で腕を何度も撫でる。 「ごめんね、俺が散々料理作らせてるから、五十嵐さんを疲れさせて……」