「それよりどうしたの珱介……」 「……ねえ、珱介と一緒に歩いてたよね? 夏休み。商店街のほうで。それに水族館も……あの時本当は一緒に行ってたんじゃないの?」 日野くんが佐々木さんの口調を真似た。でもふざけている感じは一切なくて、棒読みで、無理矢理機械の音声を繋げて話をさせたみたいだった。 彼女がその話をしたのは随分と前だから、日野くんはかなり前から私たちの話を聞いていたということになる。