「五十嵐さんの知らないところで、物凄く悪いことをしてる人は、案外近くにいるものだよ」 「え……?」 「ほら、品行方正でやってきたバスケ部だって今年出場停止になったんだって。どんなに外側で取り繕っててもさ、信用したらそこで――」 どきどきと心臓が脈打つ。でも今のこの感じは今までのものとは違う、何か別のものが混ざっている、ような。 「終わりだよ」 日野くんは私の髪から手を離し、「行こう?」と腕を引いてきた。結局私は別れを告げることができず、駅まで彼に送られてしまったのだった。