返事を待たずに、形の整った薄い唇で塞がれた。
反射的に目を閉じると、角度を変えてフレンチキスを落とす。
重ね合わせた唇の隙間から、
溢れる吐息に背中がゾクッと震える。
「……ん……うっ」
「ちゃんと集中して……俺だけを見ててよ」
逃げないようにがっちり私の顔を固定しといて、何を言ってるの。
もちろん、篠宮くんしか見えてないよ。
何度も軽い口付けを落とし満足した後、今度は舌を絡め取られて、酸素も唾液も吸われた。
篠宮くんの大きな口で覆われる度に、このまま丸ごと食べられてしまいそうだといつも思う。
熱い舌で口内をなぞられて、篠宮くんの胸板に置いていた手の力が抜ける。
不思議と甘い味がして、甘すぎる痺れに脳が震えた気がした。
「うぁっ……はっ……ん……しのみや、くん!」
「かわいい。キスだけですっかり蕩けちゃって……ずーっとこうしてたいな」
そっと目蓋を開くと、淡い色の瞳が私を捉えていた。
今自分はどんな顔してるんだろう。
きっとキスに夢中になって、どろどろに蕩けた私が映っているはず。
やめようって言ったのは私だけど、篠宮くんとのキスが良すぎて他の人とキスなんてできなくなりそうだ。


