篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。




ゾクッと背中が震える感覚がする。


変な声が出ないように口を固く閉じた。


「そんなに無防備にしてたら、
襲われても文句言えないよな?」


狼狽えることしかできない自分が恥ずかしい。


篠宮くんは不敵に笑って、耳にふっと息を吹きかける。


「きゃっ……!」


我慢しようとしていたのも虚しく、
どうしても声が洩れてしまう。

続いて耳を口に含んで、優しく甘噛みされた。


くすぐったいから、篠宮くんの身体を押し返そうとしてもまったく効果なし。

ダメ、このままじゃされるがままだ。

もうひとつ、大事な話してないんだよ。



満足したのか篠宮くんは一旦離れて、細い指で私の唇を撫でてから迫ってくる。


あ、これからキスされると察してストップをかけた。




「ま、待って!私に危機感がないのは謝るから、話を聞いて!」

「なに?」


「あの、もう私達キスするのやめようよ」



控えめにお願いしてみれば、露骨に不機嫌そうな顔をする篠宮くん。


すんなり受け入れてくれそうだと思ったのに。


「なんで?俺のこと嫌いになった?
受験に失敗して、遊びまくってる落ちこぼれとはもうキスすんの嫌になったの?へえ、そうか」


「一言も言ってなくない!?」


急にネガティブになられたら、ビックリするよ。



「……篠宮くんとのキス、嫌じゃないよ。気持ちよすぎて、沼にハマって抜け出せなくなりそうで怖いの。

あと、モテモテだから他の女子たちに恨みを買われないか心配!」