落ち込んいる篠宮くんに、私ができることと言ったらこれくらいしか思いつかない。
「ちょっと屈んでみてくれない?」
篠宮くんの元に歩み寄り、ニコッと微笑みかけた。
「……倉科?」
不思議そうにしながらも屈んでくれる篠宮くんの背中に腕を回して、ぎゅっと抱きしめる。
「っ!?」
「受験の大変さは私もよく分かるんだ。
篠宮くんは落ちこぼれなんかじゃない、その日はたまたま調子が悪かっただけだと思う。本当に、よく頑張ったよ」
優しく、語りかけるように言葉を続ける。
「キス魔なのはちょっと困るけど、本当は真面目で教え方が上手だってこと私は知ってる!
これからは篠宮くんが本当にやりたいことを見つけて、ご両親に分かってもらえたらいいね」
完璧な人なんていないし、勉強できることだけがすべてじゃないと思ってる。
腕を伸ばして篠宮くんの頭を撫でると、
安心したように息を吐く気配がした。
「……ガキじゃねえんだけど」
不服そうにしてるけど、決して拒もうとはしない。
篠宮くんも私の背中に腕を回して、ぎゅーっと身体が密着する。
私の首筋に顔を埋めた篠宮くんの吐息が擽ったくて、思わず笑い声が洩れてしまう。
普段の篠宮くんはキラキラな王子様で格好いいから、こうしているとなんだか大きな犬みたいで可愛いな。


