3人とも、ご飯食べ終わったみたいだ。

弟たちと楽しそうに話してる篠宮くんと視線が合う。



「あ、戻ってきた。
ドライヤー使ったら30分くらいで乾いたよ」


「ほんと?思ったより早く乾いてよかった!」


私も自分の制服、乾かさないと!


「あと、カレーも食わしてもらった。ご馳走様」


「そっか!雨も止んできたし、これなら帰れそうだね」


「……それなんだけどさ。
さっき倉科の弟たちと飯食ってたら、宿題で分かんないとこあるって言うから教えてもいいか?
色々としてもらった礼も兼ねて。
親が帰ってくるまでには俺も帰るから」


篠宮くんからの思わぬ提案に、目を丸くした。

ってことは、兄弟揃って教えてもらうことになるんだ。


小学校と中学の問題なら私でも教えてあげられるんだけど、きっと篠宮くんの方が教え上手だから、ものすごく有難いよ。


「えっ、むしろいいの!?
帰り遅くなっちゃうけど……」


「いいよ、教えるの好きだし。少し帰りが遅くなったって、俺の親は気づかない。興味ないからな」