「分かった!」
私の言葉を聞くと、心音はすぐにタオルを取りにリビングまで走って行った。
一方、結音は篠宮くんの顔をじーっと見つめている。
私が女の子の友達しか連れてきたことないから、珍しいんだろうな。
「なぁ、この人ねーちゃんの彼氏?」
ストレートに聞いてくる結音にすぐ否定しようとしたら、代わりに篠宮くんが口を開く。
「倉科はクラスメイトだよ」
「ふーん、そーなんだ」
結音と篠宮くんが少し話してる間に、心音が2人分のタオルを持ってきた。
「はいっ、タオルどーぞ!」
「ありがとう」
心音からタオルを受け取ると、篠宮くんは学校で何人もの女子を虜にしたステキな笑顔を魅せる。
あっ、篠宮くんお得意の超絶イケメンスマイルに心音が顔真っ赤になってる!
私も心音も男子に免疫ないからね。
恥ずかしがり屋で、すぐ顔が赤くなるとこがそっくりだって両親に言われたな。
弟の結音は、恥ずかしいって感情をあまり感じないらしい。
「おっ、お姉ちゃんって、こんなにかっこいい彼氏いたんだねー!
知らなかった!」
顔赤いのを誤魔化すために、
篠宮くんから目を逸らす心音。


