「地味女と事故チューしたんだけど、マジで最悪。吐きそう」とか影で言われてたら、ショックで立ち直れなくなりそう。
し、篠宮くんはそんなこと言わないって信じてる……!
今でも、まだあの時の感触が消えてくれない。そっと唇を指で撫でて、ふにっと押しては離してを繰り返してまた顔が赤くなる。
異性の唇って、なんとなく乾燥してるイメージだったけど潤ってて柔らかかったな。
もう一度触れてみたい……って、私は何を考えてるの。
キスの事で頭がいっぱいになって、眠れないまま翌朝になった。
何となく学校に行きづらく、仮病を使おうとしたけどすぐに母親にバレて怒られる羽目に。
重い足取りで登校して教室に着いたら、男女のグループの中に混じって楽しそうに笑ってる篠宮くんを見つけた。
しばらく見つめてると目が合い、優しく微笑んでくれてドキッと胸が高鳴る。
うう、カッコいい……
いつ私の名前が出されるのか、ビクビクしながら席に座って様子を窺ったけど特に何もない。


