篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。




「全然。顔近づけただけで顔真っ赤っかにしてぷるぷる震えてる。男慣れしてない初心な子」

「すげー可愛かったり抜群に容姿がいいとか?」


「そうでもない、正直どこにでもいる」


倉科の特徴を思い浮かべながら伝えると、瑞季がニヤつきだした。


「へぇ、面食いの慧が興味持つとか珍しいこともあるんだな。
そういう子はなんて言うか、自分色に染めるってゆーの?他の男に見向きも出来ない程夢中にさせて、最終的に依存させたい。依存させたらもう用済みだけど」


「あ、そう……」


お前の性癖なんて聞いてねーんだよ。


「案外倉科に惚れてたりして」


それはない、俺の周りにいないタイプだったから気になっただけだ。


「で、あの女たらしの慧を唯一射止めた女は誰?」


……惚れた前提で話進められてるのが気に食わない。