篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。




***


翌日の朝、俺と瑞季とちひろで適当に集まって他愛のない会話をする。


俺らが会話してるだけで周りの視線が集まって、ザワザワと騒がれるのはいつもの事。


お似合いだとはよく言われてきたけど、俺と瑞季のどっちかがちひろと付き合ってて、ちひろを巡って取り合いしてるって言う噂が流れた時は笑ったな。

ありえない、人のこと言えないけどあんな性悪女は御免だ。


たくさんの視線の中に倉科もいた。

俺の事見てんのかな。それとも瑞季?


初っ端から瑞季はやめといた方がいいよ、本気で。
あっという間に喰われるから。


じっと見つめていると目が合い、ぶわっと顔を真っ赤にさせて俯く。

これだけで照れるとか、男慣れしてないんだな。
もっと見たくなる。


いつのまにか何回か視線を合わせて、倉科の反応を見るのが楽しみになってる自分がいる。

別の日の放課後、面倒な仕事を任されて仕方なく1人で作業をしていると、同じく先生に頼まれた倉科と2人きりになった。


お、ラッキー。