あの人いつも香水の匂いがキツいし、グロスがベタベタして気持ち悪いんだよ。

嫌なら誘いに乗るなって話だよな。

さっさと帰ろ。


廊下を歩いているとバタバタと足音が聞こえてくる。

……まだ残ってる生徒がいたのか?


角を曲がった時に運悪く誰かとぶつかって、1人の女子が倒れそうになるのを咄嗟に腕を掴んで引き寄せた。

その拍子に倒れ込んで、何故か女子の唇と俺のが合わさっているのに気づく。


いや、どんな展開だよ。普通なら最悪だと思うはずが、不思議と嫌じゃなかった。


「ごっ、ごめんなさい!!」