でも、離してとは言わない。
全然嫌じゃないし、むしろ触れていて欲しいとさえ思う。矛盾してるね。
「それにしても……」
慧くんが私の手をゆっくり下ろして、そのまま慧くん自身の手をスライドさせ、お互いの親指から、ぴったりと合わせ始めた。
大きさ比べ、と言ったら想像しやすいかな。
「天音の手、すべすべで柔らかいな。
小さいのに指は長くて綺麗だ。ほら、すごい違い」
たしかに、慧くんと私の手は全然違う。
小さい私の手と、大きくて角張った彼の手は、男女の違いを知らしめた。
デートする時は手を繋いでいるんだけど、
この大きい手にぎゅっと握られると安心感がある。
「女の子って感じがして、好きだよ。この手」
優しげに目を細め、笑いかける慧くんに私もはにかみながら答える。
「あ、ありがとう……」
どんな些細なことでも、すぐに気づいて褒めてくれるのって素敵だと思う。
褒めらける側は照れくさいけど。
あの、そろそろ勉強しよう!?
いつまでイチャついてんの?って心音が目で訴えてるから!
「やっぱり私、邪魔だよね?2階で勉強してくる」
「ああ、ごめんって!」
空気を読んで自分の部屋に行こうとした妹を引き止めて、やっと勉強を再開した。


