篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。



まぁ、それは少しずつやっていくとして。

慧くんに教えてもらったから、さっき分からなかった問題をスラスラと解いていく。


「ねえ」

「ん?」

「そんなに見ないでよ」


あまりに私の計算を見つめてくるから、ちょっとやりづらいかも。

計算遅いとか、このくらい暗算でやれよとか思ってたりはしないだろうけど……


「見ないと間違ってるところ教えられないだろ?」

「そ、そうだけど! 見られると緊張してできないから」


両手でワークを隠すと、慧くんはちょっとムッとして、意地になって私の手を避けようとする。

指全体を掴まれ、ノートから離された。


……さりげなく手を繋がれちゃった。


私の手に触れたまま、慧くんが隣まで移動してきてニコッと微笑みかける。


「俺達付き合ってるんだから、緊張する必要ないよ。もっとリラックスして」


「でも、まだ付き合って日が浅いというか……」


じりじりと距離を詰めてくるから、恥ずかしくて俯いてしまう。


元々うぶな性格だし、慧くんと出会うまで恋愛したことなかったの。


慧くんのことは大好きだけど、未だに緊張が解けてない状態。

自分に自信を持って、もう“恥ずかしい”って思わないようにしたいな。


「慧くんかっこいいから、ほんとは隣を歩くのも恐れ多いくらいなんだよ!?」


「俺は、天音に隣を歩いて欲しいんだけど」