「はぁー、暑かったぁ!私のタオルちょーだい」
「お、おおおつかれ!」
なにを焦ったのか、俺と瑞季の汗拭いたタオルを渡そうとしてて笑う。
蓋が空いたままのペットボトルを倒して、
零してしまう始末。
いや、動揺しすぎ落ち着け。
「なーに?2人で何の話してたの?」
ピンクのタオルを首に巻き、体育座りでこてんと首を傾げて見上げるちひろは、俗に言うあざとかわいい仕草をしてる。
それが隣のヘタレ野郎には効果抜群だったみたいで、
「かっわ……」
顔赤いのを見られないように天を仰いでいた後、咳払いして誤魔化す。
なぁ、お前そんなキャラだったっけ?
そっくりそのまま返すよ。
「……慧が倉科と付き合う前から、彼氏ヅラえっっぐいな!って話してたんだよ。
倉科にちょっかい掛けようかと思ってたけど、慧を怒らすと怖いからやめとこうかって」
「ああ、倉科さんね。私も一度話してみたいなぁ」
「お前が女子に興味持つとか珍しいな」
「だって、あの慧がそこまで本気になるってどんな子なのか気になるじゃん!」
2人が喋ってるのをよそに、俺は再び遠くにいる倉科に釘付けになる。
……早く会いたい。
リレーが終わったら返事をくれるって言ってたけど、待ちきれねーから会いに行こうか。


