余裕のなさそうな声。
……ってことは喜んでくれてるんだ。
「……あー、やべぇ。こんなに嬉しいと思ったこと今までないよ」
「私もだよ」
私もすごく、すごく嬉しくて幸せ。
篠宮くんの額が私の肩に乗り、そのままするりと首元へ擦り寄ってきた。
今までも何度か抱きしめられたこの腕の中が、お互いに気持ちを伝えあっただけで、こんなにもより居心地が良くなるんだね。
……離れたくない。
しばらくはこうしていたいな。
だから、私も抱きしめ返してその温もりに擦り寄ろうとした時――
「よっ!お似合いカップル!」
男子の冷やかしの声で、ハッと我に返る。
あああ、クラスのみんなが近くにいるんだった!!
何も考えずに勢いで告白した自分を恨む。
うう、できることなら穴に入りたいよ……
「おめでと~!」
「好きな子にOKもらえてよかったねー!」
クラスメイトの全員とその場にいた担任までが盛大に拍手してくれて、照れくさかった。
篠宮くんのファンの子達も、ちょっと寂しそうだけど何か言ってくることはない。
心配してたから、何事もなく祝福してもらえてよかった。


