終わったらまたここに来てくれるって言ってたけど、私から会いに行きたくなって教室を走って飛び出す。
先生に見られたら、廊下を走るな!って注意されるだろうけど今は全員グラウンドにいるおかげで大丈夫。
今度は私の番だ。
炎天下も構わず、グラウンドの中央へダッシュした。
ちょっと走っただけで息切れして、体力がないのを痛感させられる。
篠宮くんは佐野くんやクラスメイトと肩を組んで、とってもいい笑顔で喜んでいた。
無邪気に笑ってる顔も、たまらなく好き。
リレーで走ってた人たちをクラスのみんなが取り囲み、祝福モードの真っ最中。
すぐに私に気づいた篠宮くんが、こっちまで駆け寄ってきてくれた。
「わざわざ来てくれたんだ」
「うん、どうしても1位おめでとうって言いたくて!最後に前の人を追い抜いた時、自分の事みたいに喜んだよっ!」
まだ興奮が冷めきれていない。
すごい、カッコいい!!と連呼する私を篠宮くんが優しく見つめてる。
「倉科の応援、届いてたよ。だいすきって言ってただろ?それでやる気出たわ」
「えっ、こ、声聞こえてた!?」
「声は聞こえなかったけど、口の動きでなんとなく分かった」
うわー、当の本人に気づかれてるの恥ずかし!
待って。全速力で走りながら、校舎にいる私の唇の動きを読み取ったってこと?
そんな余裕あるのがすごすぎ。
「返事、期待してもいいんだよな?」
「…………」


