篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。





しばらくして、窓の外で空砲が鳴ってリレーが始まった。


豆粒ほどにしか見えない人のサイズでは誰が誰だかさっぱりで。

辛うじてゼッケンの色で、自分のクラスの人だと分かる程度。


あちこちからがんばれー!という声援が飛び交って、大盛り上がりだ。


私のクラスの順位は今のところ最下位だった。


2人目に走っていた人がバトンを落としてしまったからで、アンカーの一つ手前まではずっと一番最後を走っている。



『現在の1位は3年2組!すぐ後に他のクラスが順調に追い上げています!2年1組、まだまだ巻き返せます!頑張ってください!!』


勝負の行く末は最後まで分からない。

篠宮くんがいるんだから、きっと大丈夫!



バトンがアンカーの手前の走者に渡った。


………あれは佐野くんだ。明るい髪色だから、この距離でもよく分かるよ。


「佐野くん、がんばれ~~!」


窓を開けて、歓声に負けないように大きく叫ぶ。


佐野くんはすごいスピードで最下位からぐんぐんと順位を上げていき、丁度3人を抜いたところでアンカーの篠宮くんにバトンを渡した。


わぁ、すっごく早い!あっという間に抜いちゃった!


篠宮くんだけは、好きな人だからなのかどれだけ小さくてもすぐに見つけられる。

愛の力ってやつ?


篠宮くんの前には、あと3人いた。


さすが幼なじみって感じの、息がぴったりなバトンパスの直後

一気に加速した篠宮くんはすぐに1人目を抜き、トラックの中でもう1人を抜いた。