「俺と違って、アイツは真面目な奴だからさ。
受験失敗して自棄になってるのが、見てられなかった。
……勉強に縛られてる時も、無理に女遊びしてる時も近くにいるのになんもしてやれないのが嫌だったんだけど、
倉科と関わってから、慧が前みたいに戻れてよかったって思ってる。ちひろも安心してたよ。だから、俺的に2人にはくっついてほしい」
真面目な口調とか表情から、幼なじみ3人の絆の強さが垣間見えた。
篠宮くんをずっと心配してたのがよく分かる。
佐野くんは改めて私の方に向き直ると、ニコッと最上級の笑顔を魅せる。
「慧を立ち直らせてくれて、ありがとな」
「そんな!私は何もしてないよ!!」
お礼を言うのは私の方だ。
迷っていた私の背中を押してくれて、ありがとう!
こうやって、あたたかみのある感謝の言葉を聞くと
私でも誰かの為になれたんだなぁって、頬が綻んでしまう。
……たまにはいいこと言うんだなって、見直したよ!!
「おーい、聞こえてっぞ」
「だ、だっていっつも私のこと弄って楽しんでるでしょ?」
「あー、あんまり倉科にちょっかいかけたら、慧にシメられそうだから残念だけどもうやめるわ」
そ、そうなんだ。
ぜんっぜん残念そうに見えないけどね?


