さっきまでふざけてる感じだったのが一変して、珍しく神妙な面持ちの佐野くんが静かに尋ねてきた。
「倉科は慧のこと好き?」
ちょうど私が考えていたことだ。
「好きだよ。でも、私なんかが篠宮くんと付き合っていいのかって不安になってるの……」
自信のなさが声色に表れてて、俯きながらだんだん声が小さくなっていく。
「周りがどうとか気にする必要ないと思うけど。好きなんだろ?」
「……うん」
「じゃあ、それでいいんじゃね。いざという時は慧が守るし、俺からも注意しとくから」
「ありがとう……!」
こんな風に言ってくれるのは、幼なじみの為なのかもしれない。
それでも優しい言葉が嬉しくて、不安とか吹き飛んじゃった!
じんわりと涙が出てきそう。
「……しかも、付き合う前から彼氏ヅラやべーし」
「えっ?」
「いや、なんでもない」
私、他の人の視線ばっかり気にして、“好き”って気持ちに蓋をしようとしてた。
それじゃ、きっと後悔する。
佐野くんのおかげで、やっと決心がついたよ。


