「俺のことが?」
「なんでそうなるの!?行事だよ!」
首を振って否定する私に向かって、今度は鼻で笑われる。
「倉科さぁ、こんなの冗談に決まってんだろ。
テキトーに受け流せばいいのに、いちいち反応するからからかいたくなるんだよ。分かる?」
「……うう~~っ!!」
い、言い方がムカつくけど言い返せないよ!
してやられた感がして、なんか悔しい。
ムキになって返す私も私ってことか。
「分かった、次からはスルーするね!」
「ごめん、スルーは普通に凹むから何かしら返事して欲しい」
「えー、そもそも佐野くんは落ち込むって感情がないでしょ。100人ナンパして全員フラれても、へこたれなさそうじゃない?あはは!」
「あははじゃねぇし、俺の事なんだと思ってるわけ??」
佐野くんと喋ってると、少しずつ気が紛れて笑顔になる。
偶然でも、ここに来てくれてよかった。
「冗談だよ、真に受けないで!」
「おー、言うようになったじゃん」
そりゃ、私だっていい加減学習するよ。
佐野くんは私の顔をじっと見つめると、微笑みを浮かべる。
「……やっぱり、倉科は笑ってた方が断然かわいいよな」
「なっ!?急に褒めてどうしたの?」
「いや、暗い顔してたのが気になったから」
つまり、見かねて元気づけようとしてくれたんだね。
佐野くんがモテるのは、意外と相手のことをよく見ていて思いやれる所も理由のひとつなんだって確信した。


